2011年10月21日金曜日

杉のテーブル

モノクラフトのテーブルを、天板は杉で製作した。

国産の杉、3枚はぎで。
思っていたよりずっと良い。並べて材を見た途端に猛烈に気合いが入った。


こいつに吸いつき桟を。Bacana原くんにハンドルーターを借りて。

ちなみに同じマキタなのに、年式でベースの大きさが10ミリ違うとか。危うく失敗するところだったぜ。



まずはストレートで荒加工。

次にアリビットで。


定規をずらして幅を広げる。
ところでこの定規は、自分で墨して固定するのだがこの加工はかなり精度が必要。
集中力が高まると、スケールの一ミリを10等分に分けて見れるようになる僕。精度よく加工できているはずだ。

この溝の幅は、奥に行くにつれて3ミリ狭くなっている。締まり勾配をつけることによってがっちり締まる。


オスの加工。

何度も嵌め合いを確認しながら少しずつ削って。手で入れてどこまで入る程度のきつさにするかが大事。最後は玄翁でぶったたいて入れるのだが、ゆるいと意味ないし、きつくて最後まで行かないとマズイ。簡単には抜けないのだ。それでも端がねとか使って無理して突っ込むと、天板におかしな歪みが出てしまう。
経験が必要なところ。いずれにしても、一度それぞれ失敗しないと覚えられないのがこの職業。


ね、ばっちり。
だけど、家具屋ならできて当然。なんせ僕らは、プロの木工プレーヤー。毎日毎日、木工やってるのだ。

ところで今回は、この吸いつき桟が木口にとても近い。だからって締めないわけにはいかないから、天板を長いまま加工、組み立てし、そのあとでカットする。



そうして完成したテーブル。



しかし本当にカッコいい。

直線的で、簡単に設計してると思うだろうか。

このテーブル。吸いつき桟に、組んだ脚を呼び込むという構造。
アリ溝を隠すように脚が納まる。これ見よがしにしないのだ。

その脚と天板の納まり。素晴らしい。シビれる。
この部分、ものすごくデザインされている。思考がつまっている。

そんな細部があって、調和のとれた全体。
なんて力強いデザイン。


モノクラフトさんは、同じアイテムでも毎回細かい変更などがある。作り手としては、思わず面倒に感じてしまいがち。だけどその姿勢に学ばなくてはいけないんだ。

それは、安易に満足せずに追及していくってこと。
もっと良くするためにはどうしよう、って発想。それで少し良くなったら、さらに良くするにはどうするって。

それが「デザイン」であり、技術と一緒だ。


ところで、「デザイン」とは何か、定義を自分なりに考えている。

「建設的思考」。数年前からこう定義している。意見があればぜひ。随時見直しているけど、今のところこれが僕の中では適当。


そういう考え方、そもそもそれだけ考えてるんだってこと。製品の製作を任せてもらうことで学ばせてもらっている。
自分にとって未知の素材を扱わせてもらったり、僕にとって理想に近いものづくり。

毎日、仕事が勉強だ。

0 件のコメント:

コメントを投稿