2019年10月3日木曜日

技能五輪国際大会(ロシア) 9位敢闘賞

技能五輪国際大会は8月23日から26日まで競技が行われ、gauzy calm worksの山口くんは30カ国中、9位敢闘賞を受賞しました。

あれから、あっという間に1ヶ月。
僕もロシアまで応援に。

大会の1ヶ月前頃からはいよいよ訓練も大詰めになり、各所へ表敬訪問に回ったり。
国際大会出場が決まった瞬間に懸念した家具組合主催の壮行会も無事に開催された。
壮行会は、ホテルの式場で恒例の「ロッキー」のテーマ曲での入場とパフォーマンス、そしてスピーチと苦手尽くし。

ロシアへの応援団は、匠工芸の桑原長老、ワカサの若狭さん、工芸センターの小関さん、建具職種の指導者の帯広学院の山下先生と。
旅路は長く過酷だったけども、皆さんとの旅はとても楽しくて、僕にとっても一生の思い出になりそう。

もう高齢で足も痛ましい桑原さんは、常に僕のリュックの持ち手を掴んで、僕は杖となって長い時間を一緒に。

山口くんの競技は、それはもう素晴らしいパフォーマンス。
身のこなしも表情も、同じ技術者としても惚れ惚れするほど。

毎日の報告をFACEBOOKにあげるために、僕は連日執筆を。
だから僕の撮影も、「記録」というよりは「雄姿」を捉えたいという観点で。

競技4日目の最終日、完成に間に合うかどうかという猛烈な緊張感の中、ぶっ飛ばすようなスピード感と精度でチョウバンの彫り込み加工と吊り込みを終え、引き出しの仕込みも終えて。
最後の20分程度はもう完成状態での研磨、仕上げ作業。
もう限界だろうというような勢いでの作業だが、勝利の時間に思えた。

競技終了が近づくと観客も大勢集まって、あちこちで国旗が振られたり合唱が起こったりと騒然に。
そしていよいよ終了の号令がなった瞬間、山口くんは一瞬顔を覆ってからガッツポーズを、その晴れ晴れとした表情に彼はやり遂げたのだと思った。

肩を組む山口くんと佐々木先生、そして完成した作品に光が差して輝いているように見えたのは本当。

そしてその光が、18年前の僕の技能五輪、完成させることが出来なかった僕の技能五輪へのトラウマを、霧散させていくのを感じた。

僕は涙が止まらなくて、とても感動的な時間だった。

だから翌日の閉会式で、9位敢闘賞は素晴らしい結果なんだけどメダルに届かなかったことはショックで、あのメダルを授与される華々しい壇上に山口くんをあげてあげたくて、とにかく悔しくて悲しくてホテルの部屋に戻ってから一人で随分泣いた。
FBに報告をあげないと日本で応援してくれている皆に申し訳ないと文章を考えると、競技終了の瞬間を頭に描いてまた泣けて、結局2時間程度しか眠れなかった。

競技の事などは、FBをご参照ください。

https://www.facebook.com/gauzycalmworks/


ロシアからの帰路は、各国の選手団に先に飛行機を取られて、応援団の僕らが2日ほど遅れた日程に。
その時に観光も。

帰りは、さあ帰ろうとホテルを出てから旭川空港まで27時間。
僕はすでに喉を痛めていたし、もう本当にクタクタになってしまった。

その後体調がイマイチ優れず、1ヶ月間ほど不調だったがようやく回復してきたのかなというところ。

復活して、力強く進んでいかなくては。























































2019年5月9日木曜日

技能五輪2連覇 山口智大 入社



一昨年と昨年の技能五輪全国大会で、大会初の2連覇を果たしたものつくり大の山口くんが卒業し、gauzy calm worksの仲間に加わった。

そして今年8月にロシアで開催の国際大会に、日本王者として出場する。


間違いなく優秀、業界の宝を預かった。


彼は、大学3年で進路を検討して企業訪問を繰り返し、4年生の5月に自主的なインターンとして1ヶ月旭川に滞在し、工場に来ていた。
その期間中には、旭川木工キャンプ、家具組合の植樹際などイベントのイベントにも参加していた。
このあたりの就職も見据えた動きも早かった。

8月頃にはgcwに加入したい旨を伝えてくれていた。

そして11月の沖縄での全国大会で、ディフェンディングチャンピオンとして臨んで見事2連覇。本人の念願の国際大会、ロシア行きの切符を手に入れた。

さあ、そしてそれからはこちらも大変。
gcwから国際大会に選手を出すことになるため、多くの関係機関、多くの方々に協力をお願いして。

相当な負担を強いられることになるのは、何と言っても我が工場。
まずわかりやすいのは、選手は競技会まで訓練を重ねるが、それはつまり会社の売り上げを作る生産活動をほとんど行わないということ。
およそ半年間、あまり「仕事」をしないメンバーの給料分を負担しなければならない。

慢性的な時間外労働をしている中で、とにかく頭数が欲しい工場のメンバー。

謝って、お願いをする。
大きな負担をさせて申し訳ないが、挑戦させてあげさせて欲しい。

選手は注目され、華やかに見えるもの。

僕がかつて選手だった時。
職務を離れて訓練を重ねていた時、応援してくれて対外的に調子の良い社長、会社に戻れば工場長に丸投げで、競技会への取り組みを面白く思っていないことがはっきりとわかる工場長。理不尽な出来事の連発、苦しい日々、競技本番の頃にはすっかり疲弊しきっていた心身、わかりきった結果、挫折感。
そんな思いをさせるわけにはいかない。

しかし山口くん。
まだ2連覇前の1ヶ月間のインターンの時から彼の人柄は皆に受け入れられていた。
皆で支えて、精一杯競技に集中させてあげようという雰囲気になっている。

さすが負けん気は強いが、真面目で驕らず、心配りもできて愛嬌もある人柄。
このようなところも実力か。

会社、工場のメンバーたち、皆の支えがって挑戦できることを山口くんにはしっかり伝え、だからと言って気負うことも遠慮することもなく、そう言ったことも全部しっかりと受け止めて堂々と真っ直ぐに取り組んで欲しい。


さて、3月1日から旭川に来るも13日には卒業式と海外での技能交流会に参加で月末まで離旭。
4月1日に正式に入社するも、早くも8日から15日までオーストラリアで開催の国際大会のプレ大会に出場のため出国。
帰旭後は、訓練を受け入れていただいた旭川市工芸センターさんに訓練ブースの構築、そして22日からは他の種目の日本選手うあエキスパート、関係者を集めた派遣前研修で船橋に。

そうこうしているうちに、あっという間にゴールデンウィークに突入。
gcwは例年通り巨大連休。
山口くんは落ち着かないから練習をしたいというも、特にオーストラリアからの過酷なスケジュールで休日もなく過ごしていたので、カレンダーが黒字で書いてあるところは練習しても良いが、赤字のところはできるだけ休みなさいと伝えて。

選手は、休むことを後ろめたく感じてしまう。
とりあえず練習の場に独りで出てくるけど、なんだかモチベーションも上がらずに良い時間にならないことを僕は知っている。

今大会は過去にないほどの規模で訓練費用の補助をいただける。
この点は本当にありがたい(補助金なので、すべて終わった後に支給されるため、補填は9月か10月見込み。それまで繋ぐために銀行から借り入れは実行する)。

しかし、やはり会議で上京したり、訓練に立ちあったり、書類の作成や資料に目を通したり、様々な検討に頭をめぐらせたりで膨大な時間を投入する。
零細製造業の経営者が、本業に注ぐエネルギーを減らさざるをえない事ほどリスクの大きなことはない。

会社を守り、皆の気持ちをまとめて、選手の環境を整える。

やり甲斐があるなぁ。

























2019年3月28日木曜日

9周年

FBには記事を投稿していたが、3月10日で独立して9年が経った。

あんなに長く苦しい戦いの日々だった勤め時代は、今思えば8年半。
もうすでに職業人生としては独立後の方が長くなっていた。

そしてこの春で、旭川に来て20年。
18だった僕が、38になり、恩師はいよいよ完全に定年退職で。

もう結構時間を使ってしまった。
まだまだ道半ば、なんてもんじゃない。

それでも、旭川に来た時は木を使ったものづくりで生きていきたいと漠然と思っていただけのモラトリアム真っ只中。
家具かぁと思っていたのが、これは本当に面白い、一生を掛けられると確信した時、目の前に光が差して自分の行く末が光り輝いて見えたような気がしたのは学生の時。


あれから。
工場シェアという形で独立して、その時は据え置きの機械は一つも自分のものじゃないし、組織としては独りだし、自分のブランドどころか自分のデザインの製品一つないし、もちろんお金も無いし。

今、共に働く仲間たちは10名を超え、新品の機械の購入などある程度の設備投資もできるようになり、単独で路面のショールームまで構えるまでになった。
3年前には技能五輪で全国大会に若者を送り出すことに感慨を感じていたが、今年はなんと早くも国際大会に選手を出す企業にまでなった。

しかし、まだまだこれから。
ショールームを作って家具小売に挑戦するが、同じ家具を扱っているだけで製造と小売は全く別の商売。楽観は全くしていない。
投資が嵩んで相当に財政が痛んでいるところに、五輪国際大会への挑戦。

博打を打つ性分ではなく、堅実第一主義の僕。
それでも企業の存続に関わるほどの挑戦が今年。

一生の記憶に残るであろう10年目の挑戦の数々。

必ず何かを掴み、さらに素晴らしい未来に繋げたい。



2019年3月9日土曜日

プレオープンを終えて

念願のショールームオープン、それに先駆けて関係者の皆さまに向けたプレオープンも無事に終了。
お越しいただいた多くの皆さま、お祝いをいただいた皆さま、本当にありがとうございました。

私たちのショールームはオーダーキッチンを中心に提案し、ダイニング、リビングと続けて統一感あるインテリアを見ていただけるような展示にしている。














本当に沢山のお花を送っていただいた。
他にもお酒や、お菓子なども。

旭川家具の同業の皆さんからもたくさんのお祝いを。

暖かい産地、業界。













スリッパは本革。
なんと、パートスタッフで自分の革ブランドを持っている女性がいて、彼女が製作したもの。実は僕が使っている財布も彼女のもの。
様々な思いと事情で、自分のブランドの活動を少し抑えてgcwの仕事を手伝ってくれている。


さて、このショールームのオープンのために、建物に付随するものから展示品の製作まで、まずはとにかく作ることに精一杯で。
今後、しっかりとわかりやすく見ていただけるような仕組みを作り上げていきたいと思う。
沢山の人に見てもらって、沢山の製作をしたいな。


展示しているキッチンは、しっかりと撮影をしてからWEBにもあげていきます。