2011年2月18日金曜日

棚ダボ

実は、去年の秋口には話を頂いていた仕事だったのだが。

とても応援してくれているので、仕事の切れ目にやってくれればいいからと言ってもらっていて。
特注で、業者からの依頼も受けていると、仕事の波はどうしてもあるもの。その申し出を有難く思っていたが。

ずっと切れ目なくなんとなく忙しく、ようやく着手することができた。


玄関の壁面収納。おもに靴を収納するものだ。
雪国だから、冬はいつも雪の付いた靴や、雪かきをするとき用の長靴がある。

それらは雪がついているので、乾くまで出しておこうとなり、結局いつも玄関に靴類が出しっぱなしになってしまう。
そこで、箱の地板を抜いて扉をつけ、帰ってきたらそのまま扉の向こうに収納してもらうようにした。
また、水気や汚れが付きやすいので内部はポリ板、扉だけはナラ天然木練りつけ。

つまりカラーボックスに、見栄えの良い扉をつけたようのもの。使いやすくコストも下げられる。

まあ完成したら写真を載せるので見てください。



で、その加工工程の一つ、棚ダボあけ。

壁面いっぱい収納で、棚板が30枚もあるから、可動させるためのダボ穴も大量になる。

さてそこで、実はあまり一般の人は知らないことなので。

実は家具業界は零細ばかりなので、量産家具工場でなければ多くの会社でこれをひとつひとつあけているのだ。



こうやって、ルーターで。細かく棚板を調整できるように30ピッチであけているわけだけど、つまり30ミリづつずらしてあけ続けるのだ。

量産の家具屋なら、いっぺんにバサッとやる機械があるのだが、刃物も沢山必要になるしセットが大変。

きっと零細家具屋はみんな悩んでいると思う。仕事とはいえ、大変だなと。
また人によってやり方もいろいろ。
間違えやすいし、ベニヤで型作って印して、インパクトドライバにキリつけて全部手であける人もいる。

そしてこの後には全部の穴にオニ目を打ちこまなくてはいけないのだ。


ということで、僕らの作った家具の棚板の位置を変更するときなどに、ちらっと我々作り手がひとつひとつ丁寧にあけたんだななんて思ってみたら、無機質な量産品を使うよりもずっと、日々の生活に彩りが出るのではないだろうか。

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