2011年7月6日水曜日

ペンスタンド

僕のデスクで使っていたペンスタンド。


電卓とメモ帳入れと、ペン、ハサミやカッター入れが一つずつ。



これは実際に僕のデスク上で、1年以上使っている。チェリー材。
いい具合に焼けて飴色に。









今回製作したのは、チェリーの他にメープルとウォールナット。作りたてのチェリーが、まだ色が柔らかい。

本体の高さは100ミリ。50ミリ幅の材を半分に割って、真ん中ではぎ合わせる。だから木目は真ん中から対称になる(材によっては明瞭には現れないが)。作っていても、美しさにうっとりしてしまう。


一本の板から一個の箱を作っているから木目が通る。


幅に対して、奥行きは浅めの60ミリ。薄いからデスクの奥に置きやすい。
ちゃっかり台に乗っている。その台が斜めにカットしてあるから、足元がすっきり浮いているよう。



上端も内側に勾配をつけている。そして全ての角も、45度の面がビシッと周っている。
この小さな堅い面形状が、この小さな箱に緊張感を持たせている。もちろん製作の際も、最も気を使う。
決してつぶれて丸くならないように、幅が不揃いで酔っぱらったようにならないように。


そして隅の切り込み。ただの意匠ではない。材自体は、45度にスパッと切って接着剤だけ。これでは強度が低い。そこに、切り込みを入れて材を差し込むと、飛躍的に強度が上がるのだ。

ただ、大変な手間なのである。箱の形に組んだ後で、丸のこで切り目を入れる。45度に傾けて機械に通さなくてはいけない。しかし、鋸の出口ではバリが出るから、バリを抑えるように慎重に作業する必要がある。

差し込む材にも、経験を活かさなくてはいけない。
後で隙間ができてしまっては嫌だと、きつめにしてしまうことが多い。しかし、接着剤を入れてきつめだとどうしようもならなくなる。玄翁でたたくようではマズイ。最悪箱が崩壊するし、切り込みの根っこまで材が入らなくなる。

やはり、ピッタリ、手でスッと入る堅さに厚みを調整する。

また、これの接着も大変。しっかり隅々までノリがまわっていないと、後ではみ出た部分をカットする時に欠けてしまうのだ。
そしてやはり、カットも時間を要する。なんせ箱になったものを機械にかけなくてはいけないのだ。

またそのカットも、ピッタリを攻めて箱自体を痛めては元も子もないから、ほんの少し残しめに。
そして最後に、ペーパーで平らにするのだ。



今回は一品だけ、変わった材でも製作してみた。ブビンガ。


さて、製作の事をもう少し。


そもそも、材を半分に割って板はぎが大変な手間なのだが、そのあとも、木目をつなげるために全部に番号を。


精度上げてビシッと加工。


台も手間をかけている。





それにしても、木工は手間がかかる。どうしても高価になってしまう。
だからと言って、簡単に作っていては廉価品と戦いようがない。


しかし、お客さんが買おうと思う金額には限度がある。
そしてまだ僕には、小売店さんに儲けてもらえるほどの生産力はない。

だから、ものをつくりながら、それを自分で売るしかないのだ。



つまり、情報発信力が弱い僕の事を探し当てたユーザーは、最も有利なのである。






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