2013年12月27日金曜日

IFDA試作参加

もはや年末。
来年の展示会準備もあって猛烈な忙しさと資金難に喘ぎながらも。

来年はIFDA 国際家具デザインフェア旭川の年。苦難の年である。


実は今回は応募も出来ずに情けなくも棄権した僕だけど。
旭川の志ある作り手たちにとっては、しかしこれからが勝負なのだ。

応募総数で900点弱あったのだろうか、一次審査を通過した30数点の作品。
一次審査は平面での審査だが、二次は実物審査。自分で製作できないデザイナーは、その試作を旭川のメーカーが肩代わりするという仕組みなのだ。

先日がその試作検討会、家具組合加盟企業で意欲のある10数社が参加。
わずか10数社とも言える。全て10名以上の規模の会社である。
わずか3名の企業なんてうちだけである。ちなみに前回は組合にも入っていないし、まだ一人だった。


試作にはいちおう予算はつくのだが。
20万程度では話にならない。

審査通過作品で簡単なものなんて無いし、展示会では業界人にじっくり隅々まで見られるし、下手な物を作ったら旭川家具をおとしめる事になる。


検討会は、なんとも言えない空気ではある。
まず一通り試作依頼のあった作品の説明が。
新しい作品が映し出されるたびに歓声とも呻き声ともが漏れる。

それは自分も同じ事。
挑戦したい気はもちろんあるが、待ち受ける困難は想像するまでもなく、その直接的な対価は得られない。
吐き気がする。やってはみたいが、食っていけるのか。


いよいよ選定。というよりは早い者勝ち的な発想。
残ったやつはヤバいと思いながら、声が出ない。
かと言ってどうせやるなら難しいものをとも思うし。
いや、無理だろ、気配を消そう。

という時に、「これ木村君どう??」

「手ぶらで帰らせてください」

案の定ブーイング。

「○○番やらせてください!」
ということで、結局担当することに。



悲痛な会議ではある。
どの会社も、本当に大変なのだ。余裕のある家具屋なんてどこにも無いのだから。
それも、作れるか分からないものを作るのだ。

押し付け合い的なところは確かにある。

でもみんな会議に来ているのだ。

どう考えたって大変な作品群を前に、しかし皆の顔は笑顔でもある。
そして今回特に思ったのは、各メーカーが担当するでろう若いスタッフを連れて来ている事だ。
そして誇らしい事の一つは、やはり僕の古巣は挑戦する事だ。
経験した事があるような椅子にはあえて名乗りを上げず、違うものに挑戦する。
そしてもしもやり手がいなければ、やってもいいよという姿勢。

苦しい事嫌な事は沢山あったが、しかし良いところで経験させてもらえたと思える。

各社事情はあると思うが、会議に来ない会社は逃げたことと同じだ。
わずか2、3人のうちでもやろうというのに、残念に、寂しく思う。

そのぶん、共に挑戦する他の会社には本当に敬意を抱く。



さあ、何にしても。
わずか数ヶ月の後には、あのリストの作品が形になって並ぶのだ。
現場ではまさに苦難と試練が続くだろう。
おそらく各社に散らばる仲間たち、友人知人も多くが関わる事になるはずだ。

僕の担当するものも容易ではない。

何だか毎年そうだけど、来年も挑戦の年になる。



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