HOUJIを改良した。といっても以前のとは違うバージョンという見かた。
この椅子。
自分でも気に入っているのだが、やや女性的な面取りであり、よりシャープで男性的にしてみた。
直線的な要素でラインを再構成。
背と背脚の納まりを丸くするのではなく、削ぎ落す。
比べてみる。
横の幕板も調整。
座は、新タイプはフラットに。
ところで、かなりマニアックな話。
この2脚は、後ろ足の付き方が違う。
この椅子は、座が後ろに向かって狭くなっている。
旧タイプは、二本の後ろ足が並行。つまり、幕板と脚が折れて接合。
すると、背が作りやすい。
上端と下端の長さが同じ、つまり直角。
新タイプは、幕板と背脚が真っ直ぐ接合。つまり、座が後ろに向かって狭くなるのと同じ勾配で、後脚も内側に傾いている。
これだと、幕板のほぞ加工が容易。
しかし、背が難しくなる。
上端と下端で4ミリほど長さが違う。つまり直角ではない。
背は、ブロックのうちに仕口加工してから削り出している。その仕口の接合面を想像してほしい。
後ろ足は、後ろに向かって勾配している。そのうえ、上下方向にもわずかに傾斜が。
機械は基本的に、並行または直角に加工するのも。このように2面に角度がつくと加工は困難、というか大きな手間となる。
ちなみに、二本の後脚が並行だと、上から下までずっと並行。当然だけど。
内側に傾斜があると、平面図で見たときに脚先がより後ろに描かれることからわかるように、二本の後脚は下すぼみになる。
加工性の良さを、幕板に求めるか背に求めるか。その結果、微妙な影響があちこちに出る。
こんな簡単なフォルムの椅子で、考えることは沢山。
椅子は難しいし、だから本当に面白い。
mixiチェック
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