2013年3月27日水曜日

インターンシップ

日々が飛ぶように過ぎていく。

製作が手一杯でなかなか設計や見積もりが進まず。

昼間に全力で製作を進めるも間に合わないので、夜間まで製作を。
その後の深夜のデスクワークがかなりハードで。

独立当初には想像できないくらい、本当に有難い限りだ。


週末には東京に出張も。
日曜の昼に羽田着、そのまま新築マンションの内覧会にお邪魔して採寸などしながらイメージを共有。
その後、現在お住まいのご自宅で打ち合わせを。
何と夜の11時近くまで。

お客さんは本当に大変なエネルギーを家具計画に注いで頂いた。
内覧会でくたくたになったであろう後に、ご自宅まで招待していただき手料理をご馳走になり。

もう感動的なほどであった。
本当に熱心に、家具をご検討だったのだ。


そして思う。
やはり僕に出来ることは、しっかりと細部まで気持ちを入れて製作することだと。
お客さんに会って、その方の事を想いながら製作できる家具屋が世の中に何人いるのだろうか。

幸せなことだ。

機会を頂いた事に感謝しながら、適性な価格で良い家具を精一杯製作して報いたい。




そしてこの出張の期間を含む一週間、インターンシップに新潟の女学生が訪ねてくれていた。

インターンシップの受け入れは常時しているので、自分の都合のよいだけ工場に滞在してもらい。
作業というよりは、見学主体でときどき手を借りるというスタイルだが。

だが、工場での作業自体はそれほど重要ではないから、あちこち行けるところを回るようにアドバイスし。

実際に走っている作り手たちを訪ねる旅は、学生にとって最高の刺激になるはずだ。





僕は、たった一人の人間の可能性を信じている。
たった一人の活動でも、業界を大改革できると思っている。

だから僕は、誰であれ、熱心な人には熱心に返す。



先日の島崎先生の講演。
その中で紹介された内村鑑三の「後世への最大遺物」を読んだ。


何を遺そうか。

まさに自分がよく思うこと。


昔は自分が作ったものをなんて思っていた。
IFDAの取り組みはまさにその一つ。

IFDAの図録に載るものを試作製作すれば、それは地場産業である旭川の歴史の中だけでもほぼ永遠に残るだろう。

しかし、自分一人での製作物なんてたかが知れている。


金を遺す気はまるっきり無いが、思いを遺すことはできると思っていた。

思いを遺す方法は、当然、若い人の心に訴えること。
「教育」とも言えるが。





何にしても、若い人が将来に夢を抱き、そして不安に思うことは当然のこと。

だけど、よく見極めて。
不安の正体は自分自身なんだ。


就職前の若者は不安だと思う。
しかし、もう職に就いている人も不安なんだ。

そして独立している人も。


少なくとも僕自身はとても不安だ。
僕に家具の依頼をしてくれる人はいるかな。
仕事の依頼はいつまで続くかな、本当に食っていけるかな。
あと何十年も、仕事を続けていけるかな。


そんな不安をしっかりと受け止めて。
逃げないで思考停止しないで、心を落とさないで冷やさないで。

しっかりと受け止めて、明るく楽しく一生懸命に取り組んで乗り越えるんだ。
きっとできると信じて。

自信の根拠は?
うるせぇ、自分を信じるだけだよ。
自分を信じるのに根拠なんていらないんだよ。


難しいのは情熱を持ち続けること。情熱を維持したまま走り続けること。
それには覚悟がいるけれど。


心を暖かく冷まさないように、楽しむ事を忘れないように。

難しい状況や苦しいことも沢山あるけれど、それを楽しもう。

簡単にすぐに上手くいってしまう事を一生かけて楽しめるだろうか。
簡単ではないことは幸せなことなんだよ。



景気がいいとか悪いとか。
男だからとか女だからとか。
親がどうだからとか学校がどうだからとか。
デザインがどうだからとか技術がどうだからとか。


辞めたり諦めたりする理由は沢山あるけどさ。



楽しく一生懸命に生きよう、きっと輝きだすから。



















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