2011年1月29日土曜日

友人が言っていた。

今月の給料、手取り8万円台だよー。


彼は、工芸高校で15歳からもの作りに向きあい、高卒からずっと家具屋一筋。もう15年くらいは実務経験がる。

話をしても知識は豊富で、たまに手伝ってもらえばさすがに動きも良く。

そんな彼が8万とは。しかも新婚で。


やはり狂っているのだ。
木工業界がなのか社会がなのかはわからないけど。

とにかく作ることが好きで、工場で一生懸命仕事をしているのに。
そんな作り手が沢山いる。

安心してものづくりができないではないか。

何のための仕事なのか、会社なのか。
生きていくためだけなら、こんな仕事ではなくてもいいだろう。
大事なことを見失って、仕事のための仕事、会社が存続していくための仕事になっているのではないか。

作っている本人達がシアワセではなくて、本当に人を喜ばせるものを作れるのだろうか。


こんなではみんな辞めてしまう。
技術も会社も産地も、全部人でできているのに。

経営者は皆言う。人は資産だとかなんとか。
その資産価値を自ら低くしているのに。



僕はまだ一人だけど、いつか僕が。
もの作りが好きで好きで仕方がないという若者たちが本当に楽しく、安心してその腕を磨き、腕を振るう最高の職場を提供していきたい。

想像してみる。
沢山の仲間達と楽しく、本気で一生懸命ものづくりをする毎日を。
必ず良いものが作れるし、作ってもらったものを全力で、多くの人に使ってもらうための努力をする日々を。


こんな楽園のような仕事場は、きっと永遠に与えられることはないだろう。

自分で、築きあげるしかないと思っている。

2011年1月27日木曜日

講演会

朝、工場のカレンダー見たら。

モギと記してある。

あっと思い出したのが、今日は茂木健一郎氏の講演会だった。
納期はキビシイが。無料だし。仕事は夜にいくらでもできるし。

ということで、急きょ午後から工場を留守にして、ロワジールホテルまで。

しかし、なんで事務所のカレンダーに書いてなかったかね。


茂木さんは、もう登場からすごいエネルギーを発していた。圧倒されるほど。

そしてとても楽しませてくれた。
脳みその、なんか科学的な話で退屈するかもしれないなとの心配は全く無用。

そして僕にとっては励まされることも。


今の教育システムに対する警鐘。枠に固めて創造性に欠けてしまう。

まずはゲームとか誰かが容易した遊びではなく、自分で遊びを工夫しなさいと。
なんでもやらせて、後ろから見守ろうと。


自分の立場を受け入れて、逃げない。他に惑わされない。覚悟を決めよう。

そして、ものづくりは軽視されがちだが、自分で作れることへの誇りを持とう。
お金で買える。でも創ることはできない。作れることは偉大なんだということ。


そして挑戦。うまくいくかわからないからやってみる精神。
ダメかもしれないからやらないのではなく。不確実だからこそ、やってみやよう。



なんだか、割と挑戦している人生な気がしていたが、もっともっと攻めようという気持ちになってくる。

最近はメディカル山本会長との対談、高杉良の経済小説、小城税理士とネットショップの長原さんとの打ち合わせなどでイケイケな気分。
力が漲っている感じがする!

2011年1月26日水曜日

トラブル?

IFDA試作用の材料が到着。

厚さ80ミリのメープル、立米60万円弱だとさ。
てことはこの板一枚3万円くらいかー、高っ(原材料1枚で!)。

それが6枚、、、。

って、すごい多い!そんなに頼んでないし、倍くらいある。


そこへ木材屋営業マン到着。

すごい多いよ、余分は返すよと伝えたら、まさかの返答。

東京から取り寄せだから、返品できないよと。

いやいや、発注した以上に入ってきてるんだから、僕の都合じゃないでしょ。

社に帰って相談するとのこと。


いやー、こんなことで悩まされたくない。そして若干の不安。
だって10万近くの過剰発注、ひたすら困ります。


こんなことってあるものなんだろうか。

2011年1月25日火曜日

海外誌

外国の雑誌を定期購読してみた。


料金を支払ってから、4カ月も待ってようやく初号が到着。
遅えーよと思っていたら、ほんの数日後にもう一冊。うーん、‘定期‘なんだけどなぁ。


しかし、わかっていたけど字が読めない。写真は何枚か目を引く面白いものがあるけど、もしかしたら国内の他の雑誌の定期のほうが、費用と情報が良いかもと思ってみたり。


ところで、まだ読み終わってない雑誌がこれで3冊、ビジネス書も3冊。
ゆっくり読書の時間も欲しいな。

2011年1月24日月曜日

雪と

今シーズンは雪少ないと思っていたら、年越えてからそれまでを取り返すかのような雪の毎日。
雪かきと、暖房のための薪の確保とストーブの火の番が余計な仕事。

でもなんだかそれも楽しいもの。雪国の特権だし。



さて、日曜日には、うちのこども達がお世話になってる保育園のパパ仲間でワークショップ。

スプーンの製作。
やはり2時間では終わらなかったけど、なんとか形になった。

苦労して、のこで切って、彫刻刀や小刀で削る。
そしてサンドペーパーで滑らかに。

最後に塗装。口に入るものだから、オリーブオイルで保護。
オイルを塗ると、しっとりとして濡れ色になり、木の美しさが引き立つもの。
それまでの苦労が一気に報われるように感じるほど、この塗装は快感。

小さな彫刻だし、実用できるし。

楽しかったと満足してくれたことが、僕のシアワセ。

木の美しさ偉大さ、そしてものづくりの楽しさ。
そんなことを沢山の人たちに伝えたい。

2011年1月22日土曜日

札幌へ打ち合わせ

朝から札幌へ。

雪道の高速道路での移動は、軽く命がけ感がある。特に帰りの夜道。よく前が見えなくて、車線も曖昧、でもSFみたいで面白いとも言える。


さて、午前中は以前納めたチェストの手直し。
箱本体が少し反って前板とこすってしまう症状。

湿度変化で木材はどうしても動いてしまうもの。活きのいい素材と言えるのか。

削って調整。
迷惑をかけてしまったけれど、復活に喜んでくれた。

ありがとうございます。


そして午後は、声をかけてくれたデザイナーさんと打ち合わせ。

ワイイマジンの吉本亜矢さん。

ご自身でデザインした椅子の製作の依頼を頂いた。
自分でスケールモデルを作って検討する本格派。


一緒にものづくりを楽しめそうでワクワクする。
納期にゆとりをもって、お互い負担を少なく、じっくり良いものにしようと話した。

「仕事自体が報酬」。
楽しくいいものづくり。

なんだかいい1年になりそうな予感がする!

2011年1月21日金曜日

大物経営者と対談

日本メディカルプロダクツ株式会社の山本会長との対談が実現した。


実は工場の向かいの豪邸が山本会長のご自宅。

昨年の初春、旭川商工会議所であった創業塾でお世話になった、税理士の小城先生が企画してくださった。
小城先生は僕らの事を気にかけてくれていて、何かの会合で山本会長と同席した時に僕らの事を話題にしてくれたのだそう。じゃ一度会ってみたいなということになったそうで、今回の対談が実現した。


山本会長には、もう数年前に旭川市の企画であった木工関連の創業塾の講師として話を聞かせてもらったことがあった。


さて、今回はメディカルの本社で。少し緊張しながらも楽しく話をさせてもらった。

自身の体験談や色々なアドバイスを頂いた。
なによりすごいエネルギーを感じた。

なんだかとてもやる気にさせてもらった。

こんな風にすごい方々に気にかけてもらい、応援してもらい、なんて有難いことかと思う。

やはり、がんばって期待にこたえたい。


さあ、行動、年をとってしまう前に!!

2011年1月20日木曜日

木地屋さん

IFDAの打ち合わせで木地のかみむらさんへ。

悩んでいた加工がいくつかあったのに、解決策をどんどん出してくれる。

「精度出るの?」

って聞いたら、シレっと

「出さんにゃならんよなー」

って。


うーん、頼もしい、カッコいい!!

そしてとても勉強になる。

おかげさまで不安が薄れた。


旭川って、木工の層が厚いなとつくづく思う。

2011年1月19日水曜日

試作依頼

都内にも数店舗を持つ、高級インテリアショップの新作の試作の依頼を受けた。

僕もとても好きなショップで、普段からカッコイイなと思っていた会社だから、光栄なことだ。


技術者としては、こうやって他の会社の仕事をすることは自分の腕を鍛えることになるので歓迎だ。しかもデザイン的に挑戦しているものだと一層面白い。デザイナーの発想などにも触れることができるので、大いに勉強になる。

信じて任せてもらえるのだから、それに応える、むしろそれ以上を目指してしっかりと作らなければと気が引き締まる。

2011年1月17日月曜日

ようやく

椅子の塗装。

オイル塗って乾燥中。


座。



オイルを拭き取ったウエスは、自然発火の危険が!だから薄く広げておく。
明日のストーブの焚きつけに使うのだ。



ところで、昨日は。
木工教室でカトラリー製作講座を。

女性2名と、母子の計4名で。ナイフじゃ簡単すぎるのでスプーンの製作。

地元の一般の人と、ものを作りながら交流できるなんて、幸せなことだ。
僕自身もとても楽しい時間だった。

しかし心残りなことも。
2時間程度を予定していたのだが、3時間余りもの長時間になってしまった。しかも完成までいけなかった。
それ以上は疲れも出てきてケガの危険もある。仕方なしに、残りは自宅に持ち帰ってもらうことになったのだ。

完成することができなくて、きっと本人たちも残念だったと思うが、完成に喜ぶお客さんの顔を見ることができなくて僕も残念である。

単にそのモノが欲しい人たちではないから、僕が作っても意味はないし。簡単でもきっと満足できないとも思う。

複数回の講座にした方がいいのかな?と検討中。

2011年1月14日金曜日

来客

数日前に、カトラリー作りたいから材料をわけてほしいと来た女性がいた。
その時はいろいろな材種で10本くらい持ち帰ってもらったと思う。


お昼前に、すごく元気に慣れた感じで工場に来た人がいて。
んー、誰かなと思ったらあの女性だった。

もう全部作っちゃったから、またもらいに来たの、とお土産にタイ焼きを4ヒキ(タイ焼きの単位ってなんだろね?)もって来てくれたのだ。

作ったものも見せてもらう。
それがすごいちゃんと作ってあって。特に驚いたのが、とても深いスプーンまで作っていた!写真を撮るのを忘れたのが残念だが、かなり苦労したはずだ。

そう思って聞いてみたら、バンソーコー貼った親指を見せてくれた。
ああ、マメできたんだなー。中学、高校のころ小刀で遊んだらいつもやられた親指を思い出す。


そしてあっという間に彼女は帰って行ってしまった。



なんだか、こんなやり取りがとても楽しい毎日です。

2011年1月13日木曜日

子ども椅子 製作中

この前モデル作った、高さを変えられる子ども椅子の製作中。

しかし他のことも並行して作業しているから、なかなか進まない。なんだか苛立ってしまうが。



でもほぼ加工終了。後は背のアールを削って仕上げ、組み立て。背は、バンドソーで切ってサンダで仕上げる。
やっぱり欲しいな、縦軸とほぞ取り盤。



座が入るこの溝を掘るのにとても苦労した。モデルのときは溝が角だったが、やっぱりもっと柔らかい感じにしたくて底の角にアールをつけた。
予想以上に時間と苦労がかかって、この作業だけで半日以上かかってしまった。


写真の三角形は、加工用の定規。
基本的に、何度とかって数字でやらずに、すべて原寸にあわせて角度を取っていく。
機械は直角にしか切れないから、角度があるところはこうやって定規を作るのだ。そして定規を作っておけば、次回製作する時も同じ角度で加工できる。


さて、明日で完成させたいな。、、、ちょっと無理だな、外出しなきゃいけないし。座もあるし。

がんばろう!

2011年1月11日火曜日

IFDA試作

3年に一度、旭川である国際的な家具デザインコンペがある。
今年がその年だ。

僕も応募したが、残念ながら一時審査を通らなかった。


ところでこのコンペ、一時審査はスケールモデルやCGでも良いのだが、2時審査は実物による審査。ところがデザイナーの多くは製作が困難である。プロトタイプ製作を普通の会社に依頼すると、とても高額なのだ(椅子1脚で70万ぐらいしたとのウワサを聞いたことがある)。
そこで、旭川のメーカーに依頼すれば、デザイナーは製作費用を負担しなくても良いのだ(そのかわり、商品化にむけては制約を負うことになる)。

今回、その試作を僕も担当することになった。
ちなみに、この試作というのはものすごい負担で、旭川のメーカーの多くは請け負わないのだ。そもそもデザインコンペの一時審査を通るようなものだから、簡単なものなんてほとんどない。
規模の大きな会社でも敬遠するところがあるこの試作だが、僕は家具組合のメンバーでもなく、全くの一人の企業だが、挑戦する。

そもそも僕は、以前の会社に勤めていたときから、会社の仕事とは別ということで、個人的に請け負っていたのだ。
前回のときはかなり過酷で、仕事の後に作業するのだが締め切りもきつく、一か月間で200時間もの時間外作業をした。

そんな甲斐あって、前回、前々回とも僕が試作したものがブロンズ賞となっている。

そんな経緯もあって、このコンペには思い入れが強いのだ。
また、旭川をあげての大イベントである国際コンペの試作を、創業したてで独りでやってる僕に任せてくれることもうれしい。
そして、「旭川家具」を名乗っている僕が、旭川家具のために貢献できるチャンスでもある。

目先のお金や苦労のことばかりを考えたら、絶対にやれない。しかし、そんな事を度外視して果敢に挑戦する姿勢でもって、この業界になにか刺激を与えることができればと思う。




ということで、今日は午後から打ち合わせに行ったりで、全然作業が進まない。

2011年1月10日月曜日

塗装後

札幌の友人邸の品物。組み立てして塗装の工程。

うーん、カッコイイ。手間はかかったけど、すごくいい感じ。高級感あるし。やはり幕板関係を曲線に削いだのは正解だった。
ウォールナットも素晴らしい!

あと塗装工程がまだ何回か残っているけど、早く届けて見せたいな。

2011年1月7日金曜日

木のカトラリー作り

旭川の有力情報誌、ライナーに記事を掲載してもらった。



仕事の都合などで不定での開催となってしまうが、土曜日に行う予定。希望の方がいれば、他の曜日も検討します。申し込みをしていただいて、スケジュールを調整したいと思います。興味のある方はぜひご連絡を。

ただこの時期の工場は酷寒なので、温かい恰好でお越しください。
記事にもありますが、工場の見学などのみでも構わないので、ぜひ僕らに会いに来てください。



さて、子ども椅子の続報を。


うちの娘で実験。テーブルの上の台は、仮のカウンタートップ、高さ900ミリ。
問題なく使用できそうだ。


うーん、しかしうちの子かわいいな。
ちなみに我が子は双子、片方は座らせろと騒ぎ、もう片方は降りたくないと騒ぎで大騒ぎになってしまった。
まだ日本語をあまり話さない二人だけど、二人ともに気に入ってもらえたようなので合格ですかね。



可変チェアなので大人もOK。


今日お客さんに承認をもらえたので、資材がそろったら製作開始。
ついでに普通の高さのチェアも一緒に製作しようとの魂胆。



そして次の仕事にも取りかかっている。


札幌の友人からの依頼。
友人といっても、以前にも取り付け家具を納入させてもらっているとても大事なお客さん。

ワインなどのお酒の瓶や缶を入れる箱の依頼。簡単な構造とはいえ、脚とラダーのバランスが難しく設計で苦戦。CADを使ってパソコンの中だけではどうも気持ち悪くて、やっぱり原寸、手書き。

脚を30ミリ角にするか、40×25くらいの平にするか。貫を35ミリにするか30ミリにするか、書いては消して書いては消して。端材で一部分作って検討して。

全て真っ直ぐの堅い印象にするイメージだったが、どうもカッコ良くなく。かなりの手間アップだがラダーをラウンドに削ぐことに。
これで行くことに決定。

材料は僕も大好きなウォールナット。

うーん、やっぱりものつくりは楽しい!

2011年1月5日水曜日

子ども用ハイチェア

子ども用のハイチェアの製作の依頼を受けた。トップまで900のカウンターで使うのだそう。量産品にはこのサイズが無くて困っていたらしい。

1脚だけの特注でツライところもあるが、高さを変えれて大人まで使えるこの手の椅子にはいつか挑戦したいと思っていたのでちょうどよい。

2011の最初の仕事はチャレンジ的なものにしたかったし。

正月の間、ずっと頭の中で考えていた。


そして設計。実は昨日も数時間書いていたのだけど。


相変わらずの手書き。
何度も何度も書いては消して、書いては消して。

今日は朝からモデルを作るはずが、見たらなんか気に食わなくてまた書き足して、減らして。


そしてモデルの製作。


こちらはそもそも専門分野。半日そこそこで完成。

午後は美容室にも行って気分も良く。


これから帰ってうちの子どもで試験だ。

2011年1月3日月曜日

2011

あけましておめでとうございます。


2011年になった。
さあ新しい年だ、この新鮮な気持ちを持ち続けなくてはいけない。

油断すると、忙しい毎日に押されてずるずると日々を浪費してしまう。


自由にものを作れる環境を手に入れた昨年。高卒後、家具一筋でも11年の歳月を要した。

今年は、とにかく沢山のものを、自分の意志で作りたい。やはり作ったものからしか、僕には何かを伝えることはできないのだ。






さて話変わって、1月1日の北海道新聞の、「道北生まれ」という冊子の中で記事として掲載してもらった。


「誇るべき財産」というコーナーの中で。
本当に有難いことだと思う。

旭川家具の父と言えるような人がいて、カンデハウスの長原さんがいて。そして僕を家具屋に導いてくれた恩師は、カンデの出身。
僕自身も旭川家具の老舗で働かせてもらって、いろいろな場所に出してもらい、業界関係の沢山の人たちに気にかけてもらった。

家具職人としての僕は旭川で生まれ、旭川で育てられたと強く感じている。僕の中には旭川家具の血が流れているのだ。


2011年、とにかく頑張ろうと思う。


皆様よろしくお願いします。