残念ながら、うちで試作を担当した作品は入賞を逃してしまったが。
この作品のデザイナーは小樽出身の若いデザイナーで、しかも過去に一度会った事があるという方。イタリア在住で。
なんと一人で4点か5点も一次審査を突破させた。
デザインの才能がどうのより、気合いや心構えが人並みはずれている。
心に才能をもった人間こそが何かを成せると思っているが、彼はその一人だと思う。
まだ若いうちの彼に出会えた事は、きっと将来の自慢になるのではないかと思う。
美しい意匠。
本当に苦しい思い出が一杯の勤め時代、そしてIFDAの試作。
しかしこのような加工を前にして全く動じる事が無いのは、やはり経験させてもらったからだ。多くの家具屋が椅子から逃げているのでは思うように挑戦しない中、あの会社、社長は向かって行く。だから僕はこの境地にまで来れたのだ。
そしてなんだか嬉しい事は、会社に残る後輩が今では試作を担当し、同じようにもうなにも怖くないと感じたのだそうだ。
旭川のIFDAという取り組みが、いかに素晴らしく、そして産地形成に貢献したか。
家具産地の根幹である技術職の我々が、それを確かに証明していくことになるだろう。
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