仕事が厚く重なる様になってきて。
自分たちで丁寧にデザインして何度も修正しながら育てている自社製品は、出来る限り自分たちで使う人に届けたくて、作る喜びだけではなくて、届ける喜びも受け取りたい。
また、その方がものづくりを健全に保てる。
いわゆる家具メーカーのように、製作と販売が完全に分離して、作り手は「トラックに製品を積み込んだら仕事が終わり」、ではどうしてもものづくりが荒れがちだ。
ところが作り手である自分たちで家具を直接ユーザーに届けよう、売ろうって事は、結局沢山を売る事は出来ないという事。
販売店を自前で持つ必要がある。
インターネットの活用をよく言われるが、もちろん広報として重要ととらえているけど、ネット上で簡単に売れてもなと思ってしまう。
なにより、自然素材を使って生身の人間が生々しく作っているものは、しっかりと面と向かって販売したい。
工場とお店をもち、安定的に運営していくには、組織化する必要がある。
納期も、工業製品として少しでも短くしたい。
将来の発展のためには、今苦しくても少し大きめの工場を構えている事が必要だ。
そして一緒に製作する仲間を増やしていかなくてはいけない。
そして現在、負担の重い工場に人を増やして運営しているが、直販の仕事はそんなにダイナミックに伸びたりはしない。
必然的に、生き残って行くために定期的に仕事を受注しなくてはいけない。
それが、業者さんに製作を依頼してもらうということだ。
オーダーして頂いた個人のお客さまは当然とても大事である。
そもそもそのような仕事をしたいのだから。
だが、年間を通して仕事を任せて頂ける取引先も、本当に大事なのである。
継続的に仕事をさせて頂く事によって報酬を頂き、それを資金に事業を継続し、個人のお客さまにも家具を届ける事が出来るのだから。
また、作り手として、プロからの依頼に応えて行く事はスキルの向上につながる。
そして個人のお客さんの所まで納品に行っている経験から、最後の詰めまで気を抜かずに製作している。仕事を依頼して頂ける業者の方々にも安心してもらえるはずだ。
そしてプロの図面を頂いて製作を継続している経験は、今度は個人のお客さまへの提案を広げることにつながり、より喜んで頂ける事に繋がる。
という事で、昨年からまずは工場の生産力を伸ばそうと努力していて。
そして仕事の幅を広げて資金的な余裕をつくり、販売へ向けての投資にまわすのだ。
業者に向けての営業を強化して、だんだん仕事の依頼がつながりを見せていたが、その厚みがどんどん増して来ている。
工場をいくつもの案件が重なり合って流れて行く。
小さな会社とはいえ、何点もの図面を頭に入れて若手やパートさんに指示を出し、ズバズバと木取りをしていく工場長の原は、やはり普通の職人ではないだろう。
ショッピンモールの追加製作、キッチンメーカーからの特注、継続して製作している有名外車のディーラーの什器、そして老健施設の30台のロッカーに個人邸TVボードが2種、大きなレリーフと相当な量の仕事が流れている。
あらゆる人脈に救援をお願いしていて、勤め時代の大先輩には昨年秋からずっと来てもらっているし、パートの女性もものづくりの感の良い人で。
他にもスポットでお願いして、とうとうお昼ご飯は事務所に7名も。
納期どうしても間に合わない、って不安になったり、思ったよりもはかどってみたり。
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