ノイローゼになるくらい迷い、悩んだ新作チェアのスケールモデル。
依頼して頂いたお客さんにやっと提案できた。
概ねOKを頂いた。若干の寸法の調整の打ち合わせを後日する。
新規オープンのオーベルジュの為と、オリジナルチェアの開発を兼ねさせて頂いている。
通常であればかなりの数の椅子の製作でなければ、新規デザインは難しい。大変な高額になってしまうのだ。
しかし、売れるかどうかもわからないものを新規にデザインして製品化することは、零細メーカーにとってはあまりに負担が大きい。
お互いに協力しあってのモノづくりである。
しかしここまで、本当に苦しかった。
寝ても起きても、絶えず頭を悩ませた。
何度も方向転換した。
悩んで。不安で。お客さんを満足させられるか、いや、まず自分を納得させられるか。
重厚なイメージではなく、洗練された感じに。
ポップにならないように、カフェっぽくならないように。
和食や中華ではなく、イタリアンに合うか。
座り心地はもちろん、給仕や掃除など、座る以外の使い勝手も良いように。
上品な、品格のある雰囲気にしよう。
そして自分らしく、いや、自分で本当に「作りたい」と思うものになるように。
モデル製作も含めて、ここまでかけた時間は莫大だ。単純に時間を金額に計算したら恐ろしい事になる。
しかし、僕にとっては、作る家具で自己表現をしている。
家具に妥協することは自分の人生に妥協すること。
未熟で稚拙だとしても、自分のその時点での最大限、精一杯をして生きていきたい。
まだまだ完成形ではない。よりよいモノにするため努力したい。
それにしても、実際の製作も苦労しそうだ。
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