20数年前からの8年半、同じ職場で不毛な消耗戦を戦った戦友。
働き者。一生懸命、みんなで楽しく働くことが好きな人だったと思う。
永続と発展を夢見て戦ったけど、あの会社はもう消滅しちゃったから。
うちには佐藤さんも鈴木さんもいるから居心地も良いだろうって
「暇してるなら一日のうちのちょっとでも仕事手伝って!」
って電話したのは昨年か。
「りょうぞう、行けねよ。おれチューブついてんだぞ」
知らなかったよ、そんなに悪くしてるなんて。
「おいりょうぞうよう、覚えてるか?仕事の後でよ、ウエムカイの家で鍋したよな。仕事の話しながらさあ。楽しかったなあ」
「旭三の社長は先に死んじまうしよ」
って。
佐々木さんは電話の向こうで泣いてて、僕はケラケラ笑いながら涙はポロポロと。
「いやぁ、佐々木さん、もう死んじまいそうだからさ、その前に早く飲みに行かないとね」
って話をしたのが最後。
肺を傷めてるんだから、コロナになったら一発だと思って心配で。
ちくしょう、間に合わなかった。
二十歳で就職して、心に強く情熱と怒りを携えていたから。よく泣いたりしてた。
仕事中にボイラー室でサボりながら、一緒にタバコ蒸しながら色々話したよ。
忘年会で社長に怒りをぶちまけて撃沈して、死にそうなくらいに酔った帰りは家まで送ってくれて、途中でタクシー止めて口の中に手を突っ込まれてゲーゲー吐かされたな。
僕を殺す前に、勇気を出してもっと会社の根本を良くするために一緒に戦ってくれれば、って思うけどさ。
立場を悪くすることがあるかもしれないと思って、退職後はあまり合わないようにしていたのだけど。
あの会社の消滅と共に死んじまうなんて。
はぁ。佐々木のオヤジめ。残念。悲しい。70歳。涙。
最後に一緒に飲みたかったな。
コロナがも少し落ち着いたら、佐々木悟を偲ぶ飲み会をしたいな。
0 件のコメント:
コメントを投稿