良い職人って、何?
という問いは、簡単ではない。
早いが荒い。
荒くもできる超絶スピードの人。
遅いけど細かい。
稼げる職人は、やはり早い人だろう。
そういう人は、ある意味「家具」が好きではない人が多いかもしれない。
木工とか、ものづくりが好きなんだと思う。
ちなみに多くの木工現場は、ゆっくりモノづくりを楽しむなんて生易しいものではない。
絶えず時間との競争、迫る納期。
ばったばったと作業をこなしていく。
工場の中を駆け足で移動し、手を振り回すように右手と左手が違う動きをして。
僕の師匠とも言える、勤め時代の工場長はそんなだった。
カッコ良かったな。
昇降盤の刃物をがっぷりだして、さっとスケールを当てて定規を固定し、ためらいも無く途中からビッと刃物をとおして途中で抜くなんて作業は、荒武者のようだった。
ルータも小さな材でも指先にものすごい力を入れてビーっと溝をついたり。
瞬く間に沢山の工程が進む。
手元の動きは恐ろしく早く、だから手はいつも傷だらけだったな。
機械の使い方、体の使い方なんかは、彼のしぐさをイメージして真似すると自分も早くなる。
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