2012年10月25日木曜日

卒業製作

実家に高等技術専門学院の卒業製作作品がある。








2001年、まだ21歳になる前に設計、製作したものだ。
懐かしい。

当時、精一杯やった。
もちろん今思えばもっともっとできたとも思うけど。

籐は、手編みした。
もしかしたら一生に一度しか手編みに挑戦出来ないかもしれないと思い、編み方も研究して。


恩師に言われた講評を覚えている。

「作品のデザインや作りがどうこうより、編みに、挑戦してやり遂げた事が最も評価できる」



最近の旭川の学院の卒業製作に、「挑戦」を感じない事が残念でならない。
まだ高校を出たばかりの若者たちに、自分から挑戦する気持ちを期待するのは難しいかもしれない。
僕がそうだったように、指導員が「挑戦」へと導いてあげてほしい。
挑戦する姿勢が技術を向上させ、新たなデザインや考え方を育て、新たなビジネスのモデルを模索し、そして業界を変革させることに繋がる。



ちなみに、この椅子の編み。
背の長い部分なら、一本を編むのに15分程度かかったのを覚えている。
わずか4本でもう1時間。
天然素材だから材にムラがあって、最後に引っ張ったら切れる事が何度も。
そしたらその籐を抜いてやり直し。とっさの怒りでアパートの壁を破壊したのを覚えている。

提出期限が決まっていて、業界に入る前にもはや完全に徹夜した。
飯も食わずに一気にやるから、ラブサイケデリコのファーストアルバムが連続で15周くらいして。
今でも収録曲を聞くと具合が悪くなる。


思い出のあの頃が、もう10年以上も前だなんて。
あれから楽だった記憶は全くない。

しかし確実に経年変化し、独特のツヤのでた肘の部分を見ると、まるで自分の歩みを見ているようで感慨深い。

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