2011年9月27日火曜日

技能五輪 壮行会

昨日は、技能五輪国際大会の壮行会だった。

加藤木工の高橋くん。これからイギリスで開催される競技会に出場するのだ。


ロワジールホテルで、家具関係者や行政の方々などが出席し、盛大に行われた。
僕も、過去の出場者ということで、応援エールのスピーチを。大変な緊張のなかで、うまく話せたかは記憶にない。


国際大会は2年に1度で、全国大会の優勝者が出場する。過去連続2大会も旭川から選手を送りだしていて、産地旭川の技術力の高さを表している。




僕が出場させてもらったのは、もう10年前、2001年だ。大会期間中にテロがあり大変だった。


僕の成績は散々だった。

本当に、全力で努力した。二十歳のころの自分の全てを捧げた。
それまでの人生で、みんなでよーいドンで何かして、一番最後の方なんてことは経験したこともなかった。
僕の種目の選手は確か18名で、一番から順番に、最後まで番号を振られる。


残酷に、正当な評価が下されたのだ。


理不尽なことは沢山あった。
65キロあった体重は、競技会の時には55キロを若干下回った。

それにしても圧倒的な自分の力不足。

挫折。というものを実感した。まさに打ち砕かれた。



僕の古巣、インテリアナス。
出発まえ、自分のフラッグに会社のネームを入れたら、社長に、会社の宣伝のために行かすんじゃねえんだ、消せと怒鳴られた。

結果が出てすぐ電話で報告したら、お前が本気で取り組んでいたのはわかっているから、とにかく元気で帰ってこいと言ってくれた。

続いて恩師に報告したら、指導が不十分で申し訳なかったと謝られた。


むしろ、なにやってんだと罵られた方が楽だったかもしれない。

本当に感謝している。



いまでも、たまに思い出すんだ。
10年前の、あの悔しさ、苦しさ。

自分の腕を証明するためにも、自分で技能五輪の事を謳うのだが、実はその言葉を聞くとトラウマのように苦々しさも感じてしまう。




加藤木工の高橋君には、僕の無念も晴らしてきてほしいと願う。

がんばれ。

2011年9月26日月曜日

ソファ納品

昨日は、札幌 T邸にソファを納品に。





以前製作した物の、サイズ、樹種違い。

今回は、黒の本革、ウォールナットの脚。

シャープなラインと、黒は相性がいい。


相当な自信作ではあるが、やはり納品時の、お客さんへのお披露目は緊張する。
喜んでくれるだろうか、気にいってくれるだろうか。


納品は扉を外したり、ソファを横にしたり斜めにしたりと若干苦労して。

「くわがた」の上田さんに協力してもらい。ありがとう。


ソファは特に、実際の見た目もそうだけど、座り心地も関係する。


そして、お客さんはとても喜んでくれた。
横になることが多いそうだけど、寝心地も良く、とても満足して頂いた。



喜んでくれるお客さんを見ると、僕も本当にシアワセになれるんだ。

ありがとうございました。

2011年9月25日日曜日

明日

明日は札幌にソファの納品。
眠気に弱い僕、気をつけて運転しなくては。

今月はあともうひと物件。
かなりタイトスケジュールだけど、がんばろう。
急いでたって、もちろん品質は落としません。



こんなに忙しい毎日だけど。
昨日はお嫁さんが友人の結婚式に参列のため、僕は決心して早くに帰宅して子守。
お陰で娘たちとゆっくり遊べて、しっかり睡眠を取ることができた。

土曜日は、お嫁さんが事務所に来て経理をやってくれる日。
娘たちには申し訳ないけど、保育園に。

いつもお昼までだけど、昼食を二人で食べに行くことが小さな楽しみ。


かなりの長時間工場にいる毎日(木曜は朝の4時まで作業して、工場に泊まって仮眠するくらい)だけど、メリハリつけて、従業員時代よりもむしろ家族との時間を持てるようになったと思う。

2011年9月23日金曜日

ストーブ

深夜で、もはや気温10度。

寒いので、ストーブに薪を入れて火を。


作業はまだモノクラフトのアームチェア。
本当に難しいし、手間も非常に多い。わずか2脚で、何日かかるだろう。
好きな椅子で製作も楽しいけど、さすがに限界か。工場を養えない。



話変わって、少し思ったこと。

仕事とは関係ないところでも、人間関係は大事。
普段、すこしナメられてると、仕事でもいざって時におろそかにされてしまうもの。
マズいことがあったりしても相手によって流してしまうとか。後回しにしちゃうとか。

だから普段から、人の言動は気にするもの。
いい加減だったり人を見くびったりしてるような人は、僕もあまりアテにしない。


そうやって一緒に仕事をする仲間や業者さんを判断していく。


だから自分自身も気をつけないとね。

2011年9月18日日曜日

ちょっと出勤

短い時間でも職場に来て。

椅子の座だけ先行してオイル。
後から塗るのは大変だから。

それにしても2脚分で42枚!

2011年9月17日土曜日

作業は進み

このところの体調不良は、一向に回復せずで苦しい毎日だけど。


作業は進んで。
全く記録を残せなかったけど、ソファを製作。
いまは張り屋さんのところで張り込み中のはず。今月末にお届け。

足回りは、今回はウォールナット。
資材を製材で頼んだら、思いもかけずに厚板が届き。割って使ったらいいかなと思ってとのこと。
単価高くなるけど、材はキレイだしお客さん喜んでくれるなと思い。
しかし材がまるまる一本残って。うーん、これ1万くらいか。


そして今日からは、難関の椅子2脚。難しいし、仕上げも繊細。モノクラフトのアームチェア。
まずは座から。2脚分の座だけで1日以上かかる。
この薄い材に金物を仕込んだりと手間をかけ。

全部弓なりに削いで。
これが椅子に組みこんでみると本当にカッコいい。だからこの手間も楽しみにこなせるんだ。

2011年9月15日木曜日

訪問多数

独立する人が続々と。


まず、以前からお世話になっていた化粧合板屋さん。
とうとう独立を果たしたそうで、挨拶状を頂いていた。近いうちに挨拶に行こうと思っていたら、先にうちに来てもらってしまった。

手間がかかる仕事や、小さな要望にもこたえてくれる人で。
そうやって細かく対応することで、地元を中心に木工をやってる工房などを支えて、家具業界を盛り上げたいんだと、熱い思いのあるひとで。
僕もまだまだ沢山を注文できないけど、ぜひとも一緒になってがんばっていきたい。

天然銘木ツキ板合板製造 きわめ商会の橋本さん。


あと、僕が独立前に受講した創業塾で一緒だった、同じく家具屋の仲間も、とうとう独立することになったと報告に来てくれた。
会社とも円満に話が進んでいるそうで、年明けにはスタート。もちろん勢いはあるけど、急に不安にもなるんだと素直な心境を語り合い。

彼は、その佇まいだけどもなんだか洗練されたような感じがあり、自分で作ったという名刺もセンスが良いし。そもそも屋号が素敵で。
人柄もとても好感を持てる人だし、どんな家具を作るのかとても楽しみだ。

札幌で活動するそうだけど、お互いに刺激しあって活動していきたいな。


それから、もう旭川で一番古い仲間、技専の同期生も訪ねてきてくれて。
うちにある電動工具、ドミノを試したいってことで、二人でああでもないこうでもないと。
僕より5つ年上だけど、遊ぶ時は一緒になって遊んでくれて、だけどもいろいろ諭してくれたり。
僕が18の時にはあまりに刺激的で、こんなに面白い人がいるんだと衝撃的だったな。



さらに夜中には、よそで工場長やってる先輩も。
しっかしウデ太いなと思いながらも、仕事の話したらピリっとしててさすがだなと思い。



そして今晩もチラッと仲間が顔だしてくれて。シレっとコーラをご馳走になり。


そんな数日。
なんか、人が集まってくれるのって、うれしいよね。

そんな家具屋でいたいな。

2011年9月12日月曜日

家具の日フェアを終えて

土日二日間の家具の日フェアが無事に終了。

正確な数字は分からないけど、とても多くの来場があったように感じた。
以前はこんなに混んだかなと思うと、とてもうれしくなる。

来場してくれた皆さまにはとても感謝しています。


僕は今回が初出展。
それに際して、まず沢山の同業の先輩方から励ましやアドバイスを頂いた。

従業員時代には聞けないような話もあったり。

業界を支えてきた方々の偉大さを感じた。


それから仲間や友人、知人たちとも話ができて。
こういう場があるっていうのはいいものだな。


一般のお客さん達からも、よい評価を多数聞いた。
まあ残念ながら会期中に成約には至らなかったが、テーブルとイスだけの出品だから仕方がないかなとも思う。

焦らずじっくり。


それにしてもいろいろな人と話ができてとても面白かった。



しかしセール前日の病院での点滴投入にも関わらず体調不良は改善せず。
楽しかったとはいえ、もともと人見知りで対人応対が決して得意ではない僕、少なからず疲労したようで。帰りに猛烈に眠くなって運転継続できなくなり、コンビニで2時間近くも眠り込む始末。



なんだかまだ調子は良くないが、今日になって展示会で気にいったと、新しく出すお店用にとオーダーを頂き、ついでにスツールのデザインもさせてもらえることになり。


実はすこし込んでいる今月の製作スケジュール、バテてる場合じゃないぜ。
手際良く、良いものを作ってお届けします!

2011年9月10日土曜日

家具の日フェア初日

家具の日フェアの初日。

僕の展示デビュー。


場所は直射日光が気になるけど、悪くないところ。

今日もお客さんの来場は多数で。
組合の告知もかなり大々的で、気合いを感じた。


会場の中で一番カッコいいよと言ってくれたお客さんもいたり。
椅子が小さいと言う方もいたり。

値段が高いとのお話もあれば、安めだねという方もいたり。


それでも、かなり自信を持って出しているものだから、どんな意見も素直に聞ける。



今はまだダイニングセットだけだけど、今後はもっとアイテムを増やす予定。

2011年9月8日木曜日

旭川家具の日フェア

9月10日、11日の旭川家具の日フェアに出品することになった。
しかもそのまま常設してもらえることに。とても感謝です。



しかしアイテムが無いため、急きょ製作していたのがダイニングテーブルとチェア。
なんとかダイニングセット1セットを。椅子の張りも明日午後だっていうから本当にギリギリ。


家具の日フェアは、永山の家具センターで。

会期中はずっと会場にいるので、ぜひ遊びに来てください。2階の工房家具の会コーナーの片隅にいます。


それにしても会場ディスプレイなど皆無。
なんとか見れるようにしないと、出品するにあたって協力してくれた皆さまに、あまりに申し訳ない。

がんばらないと。

2011年9月7日水曜日

仕上げ、塗装

さて、椅子の仕上げ、塗装。

今回製作はわずかに7脚。
でもやっぱりすごい労力。

研磨、仕上げだけで1日かかった。エアサンダなどの研磨機がどうも嫌いで。
だから全部手研磨。手で持ったサンドペーパーを、前後に動かすことでしか研磨されないわけだから、そりゃ疲れるのも当然。もう腕が上がらないぜ。

でもさすがに、そろそろ良いサンダを探して導入しないとな。


そして塗装。カラーオイルを。
今回も実験も込めて4色。どれも悪くない。

北海道産のナラを使いたいんだけど、色見がそろわないから着色を。

もう全色採用だな。でもあんまり色を選べると、かえってお客さんを悩ませてしまうかな。
いろいろ意見を聞きながら、今後しぼってみてもいいな。


ところで、このオイル塗装も体力勝負で。ざっと塗ったオイルをしばらく放置したあとで拭きとる。
すぐ拭けばまだ良いんだけど、それじゃ色が入らない。時間をおくとオイルが堅くなって拭き取りが大変。
もうごしごしごしごしと力の限り磨くわけです。


そんなわけであっという間にこんな時間で、特に右腕の疲労が著しいわけです。

2011年9月6日火曜日

椅子の再開発中

今のところ、僕の唯一のチェアを、またまた再開発。

事務所に置いて毎日見ていると、だんだん満足できなくなって。
もう何回目だろ。だからなかなか次の椅子の開発に入れないの。


形変わればその都度ジグも作り直し。後脚。

ちなみにうちには、縦軸ないからルーターで。便利な刃物ってあるんです。


後脚を伸ばして、背の位置を30ミリ上げた。
あと、下広がりの上すぼみにした。

前は、下がすぼんでいた。
この辺は、とても微妙だから実物で試しながら。

後の幕板の角度を、紙何枚か挟んで微妙に変えては材を切って仮組みし、確認する。何度も何度も試して、好みを探す。

もう時間ばっかりかかるけど、納得できるまで前に進めないタイプな僕。

こうやって幕板に角度をつけると、今度は背の接合面の断面が非常に難しくなる。
もう原寸書いたってわからない。
こんな時は、仮組した実物から、角度や長さを求めるしかない。まあ、職人なら誰でもできるはずのことだけど、腕の見せ所ではある。

かなり集中しての作業だから、写真は無いです。隠すつもりはないんだけど。



あわよくばこれで終わりにしたかったけど、やっぱり納得できず。

後脚を背に合わせて削ぐ。全然違って見える。


ちなみに、この削ぎも大変。全部に墨して。


あとはこいつで削る。

組む前に削いでおきたいけど、背を締められなくなるかも。


この削ぎの加工はなにかやり方考えないとな。

2011年9月4日日曜日

KANTO展

札幌、紀伊国屋で開催中の、KANTOさんの個展を見てきた。


彼は、僕の3つ年上だが、旭川の訓練校では2年後。でも彼はその前に、東京で2年ほど学んでいるから、ほぼ同じ時間を家具に注いできた。もう10年の仲間だ。

彼はずっと、札幌で独立すると言っていたし、その通りにした。彼のホムページアドレスはhttp://www.kanto-madeinsapporo.jp/

メイドインサッポロ。かっこいいじゃないか。


そんな彼の初めての個展が。


子ども椅子をカラフルにペイントして、壁にディスプレイ。
鮮やかな布地でカラフルに。椅子もいいな。やりすぎす、とてもうまいと思う。

正直彼は、もっとオトコっぽい感じで攻めてくると思っていたが。
木工作家でこんなに色を使う人は少ないのでは。ポップになりすぎず、うまい具合に木目を生かして。

こんな無骨な男に、人見知りのうちの子がなつくなんて。
うちの子も椅子が好きなのか、沢山の子ども椅子を前におおはしゃぎ。


独立からの短期間で個展まで行く行動力と、デザインなどの表現に、思わず嫉妬しそう。


でも僕の人生のテーマの一つが、嫉まないこと。
それは人はとても抱きやすい感情で、心の弱さからくるものだ。その感情から行動すると、とても嫌な気分になるし、誰も良くない。

札幌も商圏にしている僕、彼は商売敵とも言えるんだけど。

でも僕の目的が、良い家具でお客さんに喜んでもらうこと。だとしたら、彼が製作しても僕の目的は達成されるんだ。
お客さんにとっても、選択肢は多い方がいい。
自分が努力さえすればいいのだ。


もう会期も残り少ないけど、ぜひ彼の展示会に脚を運んでください。

2011年9月2日金曜日

そういえば2年

そういえば、前の会社を退職して2年たった。


そう、たしか29歳の誕生日、8月5日の夜に退職願を書いた。

神妙な気分で書いてたくせに、字を間違えたり。やっと書き終えたらちょうどよい封筒が無くて、もう一度他の用紙サイズで書きなおしてみたり。そしてようやく書き終えて、最後に印鑑押したらヌルってなって残念だったり。

お嫁さんと笑ったのを覚えてる。



苦しかったな、あの頃。


そしてなんだか世界が変わった。
独立して全部自分の責任で、自分の考えで行動するってこと。僕には合ってるんだな。


そういえばもともと、独立することは当然の通過点だと思って業界に入った。
でも会社が好きになって、やりがいもあって、ずっと会社に残って人生を勝負してもいいなって思って。
ブレたってことなのかもね。

でも結局こういうふうになって。
本来の想いに引き戻されたみたいに。

なるようになるんだな。


さあ、今年も本格的に後半戦だ。